Mac Proタワー型を2020年に使うのはどうか?検証してみた
自作PCやHackintoshにMac Proケースを流用するModについていろいろ調べたのでまとめました。
公開日: 2020.6.24
Mac Proタワー型の種類と公式対応OS
Mac Proタワー型には、下記のラインアップがあります。
モデル名 | 発売年代 | 公式対応最終OS |
---|---|---|
Mac Pro 1,1 | 2006年 | Lion 10.7.5 |
Mac Pro 3,1 | 2008年 | El Capitan 10.11.6 |
Mac Pro 4,1 | 2009年 | El Capitan 10.11.6 |
Mac Pro 5,1 | 2010年, 2012年 | Mojave 10.14.6 |
残念ながら最新のmacOS 10.15 Catallinaに対応したモデルはありません。
ただし、一つ前のMojave 10.14.6までであれば、2010年、2012年モデルのMac Pro 5,1が公式に対応しています。
Mac Pro 2009のMac Pro 5,1化
2009年モデルのMac Pro 4,1は次世代の2010年、2012年Mac Pro 5,1と同じマザーボードを使用しており、Mac Pro 5,1相当にファームウェアをアップグレードできます。
2009 Mac Pro 4,1のファームウェアをアップグレードする方法
CPUも2010年モデルのものを使用することができ、オークションなどで入手して自分で換装することができます。
2020年で使うならMac Pro 2009(4,1)かMac Pro 2010 / 2012(5,1)
Mac OS X Lionしか対応しない2006年モデルは論外ですが、El Capitan 10.11.6までしか対応しないMac Pro 2008 3,1もかなり微妙です。
そうなると、Mojave 10.14.6まで対応するMac Pro 2010 2012(5,1)がベストで、価格的に多少こなれているMac Pro 2009(4,1)を5,1相当にアップグレードして使うのが良さそうです。
タワー型Mac ProとMojaveのGPU問題
Mac Pro 2010/2012(5,1)はMojave 10.14.6に公式対応していますが、「グラフィックボードをMetalというエンジンに対応したものにアップグレードした場合」という条件がつきます。
Appleが公式に対応を表明しているGPUが下記の5つ。
- MSI Gaming Radeon RX 560 128-bit 4GB GDRR5
- SAPPHIRE Radeon PULSE RX 580 8GB GDDR5
- SAPPHIRE Radeon HD 7950 Mac Edition
- NVIDIA Quadro K5000 for Mac
- NVIDIA GeForce GTX 680 Mac Edition
使えるかもしれないのが、下記のチップを搭載したグラフィックカード。
- AMD Radeon RX 560
- AMD Radeon RX 570
- AMD Radeon RX 580
- AMD Radeon Pro WX 7100
- AMD Radeon RX Vega 56
- AMD Radeon RX Vega 64
- AMD Radeon Pro WX 9100
- AMD Radeon Frontier Edition
AMD Radeon RX 560あたりは、値段も手頃(1万円程度)で消費電力も少なく、macOSでの動作も報告されているので、手軽に試すには良さそうです。
消費電力も少なく、グラフィック性能は結構上がるのでかなり良さそうです。
Mac非対応グラフィックカード問題
Mac版ではないグラッフィックカードと取り付けて起動する場合、Mac EditionでないとEFIブートができず、起動後真っ黒画面になります。
真っ黒な画面になるだけで普通に使えるのですが、
- ブート画面がでない(ロードバー)
- ブートオプションを選べない
- Apple Hardware Testが実行できない
などです。
どれも頻繁に使う機能ではありませんし、元々のグラフィックボードに戻せば使えるので大きな問題ではありません。
mojave patcherで非対応MacにMojaveを入れる
こちらは裏技的なやり方です。
Mojave非対応MacにMojaveを入れるパッチツールを作成した方がいて、それを使えばMac Pro 2008(3,1)でもMojaveがインストール可能です。あくまでインストールが可能であって常用可能かは別問題ですが。
macOS Mojave を Mac Pro Early 2008(非サポート機種)にインストール
自分も古いiMacでmojave patcherを使ってみたことがありますが、画面動作がガクガクで使い物になりませんでした。ここは、Mac Proの拡張性が生きるところで、Mac Proの場合はMetal対応グラフィックカードを入れればしっかりと動作しそうです。
2020年にタワー型Mac Proを買うなら2009以降が良さそう
公式OS対応の件も含めると、Mac Pro 2009以降が良さそうです。
Mac Pro 2010/2012は中古でも5〜7万円くらいしますが、Mac Pro 2009であれば2万円台で購入することも可能なので、安く購入してアップグレードを楽しむのもアリですね。
Mac Proは電源食いで、シングルコア性能では「同世代のMacBook Airと同等レベル」のマシンですが、コア数が多いため現行Mac mini Core i3モデルくらいの性能はあります。
GPUを交換したり、メモリも中古であれば1万円未満で32GBにアップグレードできたり、5〜6万円くらいで結構遊べるマシンになっています。
Mac Proタワー型を2020年に使うのはどうか?という意味では「意外とアリ」と言えそうです。