ロードバイク

フロントシングルとたすき掛けを軽減するスプロケットを考える

フロントシングルにするとどうしても避けられないのがトップ・ローギア時のたすき掛け。どうしたらフロントシングルでたすき掛けを軽減できるのか、スプロケット構成から考えてみました。

公開日: 2020.12.16

フロントシングルとチェーンのたすき掛け

フロントシングルにするとなると、問題はたすき掛けです。

通常のフロントダブルでも、インナーかアウターかでたすき掛けを回避するために、ロー・ハイのどちらか数段は「使えない組み合わせ」が発生します。

これがフロントシングルの場合、基本的には全てのリアのみの変速になるため、全ての段数を使おうとすると、当然チェーンラインはたすき掛けになり斜めになります。

シマノの最新グラベルコンポGRXシリーズには、フロントシングルの構成がありますがスプロケットは11速なんですよね(クランクはFC-RX600-1、FC-RX810-1)。チェーンラインのたすき掛け対策はどうしてるんでしょうか。

なるべくチェーンラインをまっすぐにするには

スプロケットの幅が狭い方がいい

当然ですが、スプロケットの幅が狭いほど、フロントチェーンリングからの角度が減るので、チェーンは斜めにならなくなります。

と言っても、数ミリの世界ですがチェーンの幅が4mm程度なので、数ミリでも結構な影響がありそうです。

スプロケットの段数と幅

現行のホイールはほとんどが11速対応フリーボディをつけているので、それに合わせてスプロケットの幅を比較します。

11速が一番幅があるので、そこからマイナス幅を見てみます。

段数11速からの差分
11速-
10速- 2.85mm
8/9速- 1.85mm

よく言われていることですが、スプロケットは11速 > 8/9速 > 10速なので、スプロケットの幅が一番狭いのは、10速となります。

となると、フロントシングルでたすき掛けでは10速のスプロケットが良さそうです。

スプロケットの歯数構成

スプロケットの歯数については、フロントシングルの場合40tか42tあたりで、ギア比をワイドレシオにすることが多いようです。

普通に考えたら、ギア比が大きい組み合わせほどチェーンに負担がかかりそうですが、フロントとスプロケットの歯数差はチェーンの横の動きではなく縦の動きなので、チェーンの強度への影響は少ないのかもしれません。

フロントシングルではチェーンのたすき掛けは許容するべき?

ここまでみてくると、フロントシングルではチェーンのたすき掛けは回避できない気がしてきます。

通常のロードバイクのフロントダブルの場合、上下の2段くらいは使えない組み合わせが発生しますが、フロントシングルの場合、チェーンラインのセンターにチェーンリングを持ってくることを考えると、たすき掛けがキツくなるのは上下1段、10速度だと、1速と10速あたりでしょうか。

そう考えてみると、1速と10速は「高速走行」か「激坂」のどちらかで使う歯数にしておいて、2〜8速の実質8速もしくは7速くらいをメインにするのであれば、問題ないのかもしれません。クロスバイクとかでは1x7とか1x6が普通にありますからね。