ロードバイクのホイールを軽くするとなぜ速くなるのか考えてみた
ロードバイクのホイールを軽くするとなぜ速くなるのか考えてみました。専門家ではないので、あくまで得た情報からの想像の範疇ですが、なるべく理論的に考えてみました。
公開日: 2021.1.12
自転車を漕ぐ = ホイールを回転させる
自転車を漕ぐというと、どうしてもペダルを回す、クランクを回すという動作をイメージしてしまいますが、実際にはリアのホイールを回転させてるんですよね。
書籍「サイクル・サイエンス」によると、ペダルにかけたトルクのうち、80%以上はしっかりとリアの回転に使われているそうです。
この数値がペダリングの上手なプロがビンディングペダルで計測したものなのか、一般人がフラットペダルで計測したのかはわかりませんが、素人でも70%くらいは「後輪の回転」のために力を使っていると考えて良さそうです。
重いホイールは重いプロペラを回しているようなもの
ちょっと例が適切ではないかもしれませんが、自転車で走るということが後輪を回転させているということなのであれば、ヘリコプターのプロペラと同じだとも考えられます。
重いホイールを回転させているということは、重いプロペラを回しているのと同じなので、軽くなれば当然ペダリングが軽くなる訳ですね。鋼鉄のヘリコプターのプロペラは人間では回せませんが、竹トンボなら回せます。
実際には、車体の重量とか、向かい風とか、勾配とかいろんな要素でペダルの重さや走行速度が出るらしいですが、シンプルに考えたら、重いプロペラを回転させてれば当然ペダルが重い、つまり、同じ回転をさせるのに重いホイールの方がトルクがいるということになるんでしょう、きっと。
エアロホイールが速いわけ
同じ理屈で考えると、エアロホイールが速いわけも想像がつきます。
自転車のホイールはスポークが張ってあるので、ホイールを高速回転させるということはある意味扇風機の羽のような状態です。実際にスタンドに立てた状態でクランクを目一杯回転させると、ホイールの周りに風の幕みたいなのが出来ているのがわかります。この風は、明らかに前への向かっていませんから、違う方向への力が働いてしまうわけですね。
本来は全てのパワーを推進力(後輪の回転動力を前に進む力にする)にすべきなのに、横方向に移動する力が加わると、当然推進力は落ちてしまいます。
一方、エアロホイールはディープリムなので、「扇風機の羽が小さい」のと同じというわけですね。羽が小さければ縦方向以外への力が弱くなるので、ペダルにかけたトルクが素直に推進力になりやすい、という訳なんだと思います。
ちなみに、ヘリコプターは上の羽だけだと躯体が回転してしまって前に進まないそうです。横にある羽があることで前に進めるのだとか。このあたりも関係ありそうです。
ホイールを軽くするとどれくらい速くなるのか?
よく「ホイールの軽量化効果は、他のパーツの10倍だ」と言われますが、実際には100gの増加で、30km/hに加速するために必要なエネルギー量が10%増えるということだそうです。ですので、300gとか500g軽量化すると、単純にペダルを踏む軽さが30%、50%軽くなるということになります。
一般的な完成車のホイールが2,000g前後で、プロが使うホイールが1,500g未満、差が500gくらいです。1,500g未満のホイールに変えると「圧倒的に軽く感じる」らしいので、ペダルの重さが50%減ればそりゃ圧倒的に軽くなりますから、100gで10%というのは信憑性がありますね。
つまり、速くなるというよりかは「軽くなる」訳ですね。軽くなるということは、後輪を楽に回転させることができる訳ですから、最終的に速くなるということですね。