Apple Siliconの登場でHackintoshは絶滅危機?
WWDC2020で発表されたApple Siliconの登場と完全移行でHackintoshは絶滅危機となるのか?これまでのMacのCPU変遷などと照らし合わせて考察してみました。
公開日: 2020.6.22
Apple Siliconとは?
2020年6月22日に開催されたWWDCで発表された、次期Macに搭載されるApple純正のCPU。今後は、現在のIntel CPUとはサヨナラしてArmベースの自社チップセットに移行するとのことです。
Mac向け独自チップ「Apple Silicon」と最新OS「Big Sur」登場--CPU変更は14年ぶり
2020年末までにApple Siliconと同時に発表されたmacOSの新バージョン「Big Sur」を搭載したMacが発売され、その後2年ほどで全てのMacがApple Siliconになるということです。
- 2020年末: Apple Silicon搭載Macの発売
- 2022年〜2023年頃: 全てのMacをApple Silicon搭載モデルに
というロードマップです。
Intel CPU搭載モデルのサポートはどうなるか?
MacがCPUアーキテクチャを変更するのは、
- モトローラの68000系
- IBM・モトローラのPowerPC系
- Intel コアシリーズ
に続く3回目で、直近のPowerPC系からIntelコアシリーズに移行したのは2006年半ばのこと。
当時もロゼッタというPowerPC系アプリ互換の仕組みが提供されましたが、今回もロゼッタ2という同じような仕組みが提供されます。
過去の移行期間を参考にすると、Intel完全廃止は2023年頃?
PowerPCからIntelへの移行は、
- Mac OS X Tiger(10.4)で初搭載
- Mac OS X Snow Leopard(10.6)で任意化
- Mac OS X Lion(10.7)で廃止
という流れでした。
同じ流れだとすると、
- 2020年 macOS Big Sur(10.16相当)で初搭載
- 2022年 macOS(10.18相当)で任意化
- 2023年 macOS(10.19相当)で廃止
という感じでしょうか。
しばらくはIntel版Macも同時並行で発売するという話なので、OSレベルでの完全移行はもう少し後ろかもしれません。MacのOSサポートは概ね5世代くらいが平均(Mac Proなどはもう少し長い)なので、2025年くらいまではIntel CPUがサポートされるかもしれません。
60万円もする新型Mac Proを発売しておいて、3年で使えなくなくなるということは流石にないでしょう。アメリカで集団訴訟になりそうです。
Hackintoshはどうなる?
macOSが独自チップセットであるApple Siliconのみをサポートするとなると、Hackintoshは当然動かなくなるでしょう。とは言え、現在も膨大な数のIntel CPU搭載Macが使われている以上、この先3年くらいは最新OSのサポートはあると思われるので、それまでの間はHackintoshで最新OSを使うことができるかもしれません。
また、最新OSにこだわらないのであれば、3年以上5年ほどはHackintoshをメインにして使うこともできるので、いますぐHackintoshの終焉というわけではなく、「いよいよ使えなくなる日が見えてきた」という感じでしょうか。
そもそもApple製Mac以外にmacOSを入れることはAppleはライセンス違反としているので、そのリスクは常にあったわけで、それが現実化したということですね。
3年スパンだったら今から作ってもOK?
OSレベルでのIntel CPUの排除が3年後くらいなのであれば、2020年、2021年くらいまでは新しいHackintoshを作っても良いかもしれません。
というのも、3年もすればCPUなどのスペックアップが向上しているので、立派な旧機種になります。そうすれば、「そろそろアップグレードかな?」と思うものです
また、Apple Silliconでは処理性能の劇的な向上があると言われているため、macOSがIntelを完全排除して、Apple Sillicon搭載Macも不具合などがこなれてきた2023年、2024年頃にApple Sillicon搭載Macに移行するのが良いでしょう。それまで、Hackintoshで節約してApple Sillicon搭載Macを買うための軍資金をためておくのもありです。