注意したいロードバイクの沼
サドル沼
ロードバイクのパーツの中でも交換が容易で、かつ見た目的なアップグレード感があることで「入門用の沼」として有名なのがサドルです。
サドルを交換しようと思った方は、
- お尻の痛みを軽減したい
- 車体を軽量化したい
のどちらかが多いかと思います。
色々話を聞いていると、意外とレースに出るようなロードバイク上級者の方にはサドル沼にハマる人が少なく(もしくは経験済みなのかもしれませんが・・・)、意外とロードバイク初心者の方がハマることが多い沼のようです。
想像ですが、初心者の方はロードバイクに乗るための「姿勢」と「筋力」が備わっていないため、お尻を痛めやすいのと、入門向けロードバイクのサドルは重くてあまり見た目のよくないものが多いため、「手軽に軽量化が出来る」ということが要因なのかもしれません。
しかし、初心者が走る時間や距離(50km程度)でお尻が痛くなるのは姿勢と筋力の問題が多いそうなので、そのレベルだとまずはロードバイクに乗りなれる方が大事だそうです。
その段階を超えた方だと、フィットするサドルを見つけたら数本はストックするということも多いそうです。
ハンドル沼
サドルと同じくらい深い沼なのがハンドルです。値段も高くても数万くらいで、軽量化も出来て見た目も変わるということで、ちょっとした整備が出来るようになるとハマる沼です。
ハンドルもサドルと同じで、
- 姿勢の辛さを軽減したい
- 車体を軽量化したい
と言うことから手をつけることが多いようです。
しかし、まず最初に知っておきたいのは、ハンドルは走行速度にはほとんど影響しないそうです。軽量化できるとしても300g程度ですし、ハンドルの形状がちょっと変わったくらいで速くなることがないのは冷静に考えればわかります。
カーボンハンドルにすることで、若干の振動吸収性能が向上するらしいですが、振動吸収という意味では、タイヤとフォークを変えた方が効果が高いと言われています。
唯一、ハンドル交換のメリットとしては、最適なフィッティング出来ると言うことです。フィッティングが目的のハンドル交換ならば、しっかりとフィッティングができれば、一回のハンドル交換で済むので、沼にはハマりませんの安心です。
ホイール沼
この沼はある意味ロードバイクで最深の沼です。この沼に入ると、コストが最大で数十万レベルになりますから、なるべく入りたくない沼です。
ホイールを交換すると、
- ペダリングが軽くなる
- 坂を登りやすい
と言う大きなメリットがあります。初心者が最初に交換すべきパーツは「ホイールとタイヤ」と言われるくらいです。ホイールはロードバイクの直進性能に直結するパーツなので、交換すると効果を実感できます。
しかし、問題はコストで、効果をより実感できる1500g未満のホイールはロードバイクの車体クラスの値段がします。しかも、ホイールは消耗品なので、どんなに高価なホイールを買ったとしても、走行距離が伸びればいずれは寿命が来ます。そう思うと「そろそろ寿命かな?」「寿命が来る前にスペアホイールを」という感じでどんどん沼にハマってきます。
プロの選手の使用ホイールを追いかけだしたらかなりのコストを覚悟しなくてはなりません。ホビーライダーが、スポンサーから無料でホイールが提供されるプロ選手と同じ感覚でホイール運用できるわけないのですから、その真実に気づかないと、散財してしまう可能性があります。
沼にハマらないために
ロードバイクの沼の根底にあるのは「(アップグレードしたら)もっと楽に、もっと速く走れるはず」という期待です。しかし、プロ選手は口を揃えて「ロードバイクの走行能力は、人間8:機材2」と言います。つまりアップグレードをしても20%のうちの数%しか走行能力に影響がないわけです。
それがわかっていれば、意外と沼にはハマらないで済みます。まずは自分がトレーニングをして強くならないとダメなんだとわかれば、アップグレードよりもたくさんロードバイクに乗ろうと思うからです。