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SSDの寿命を考えたらメモリは多めに積んでおこうという話

SSDの寿命を考えたらメモリは多めに積んでおこうという話です。

公開日: 2021.9.20

メモリには書き込み上限がある

意外と知られていませんが、PCやスマホで使われるストレージには書き込み上限があります。かつてのストレージの主役HDDでは「稼働時間」が上限でしたが、フラッシュメモリ式のSSDになってから書き込み(書き換え)・読み込み回数が上限となりました。

一方で、HackintoshをはじめとしたPCで使われるメインメモリは、DRAMと呼ばれるものが採用されていますが、DRAMは頻繁に書き換えが起こることを前提に設計されているため、寿命は半永久と言われています。実際には、10の15乗から,10の16乗回だそうです。

SSDの書き込み上限は?

SSDの書き込み上限は製品によって異なります。回数で規定している製品もあれば、書き込み容量で規定している製品もあります。一般向けでは書き込み容量で規定されることが多く、TWB(テラバイトライト)でスペックに記載されます。

最新のSSDであれば650TBWほどが平均的で、上位グレードでは1300TWBという製品もあります。SSDの規定書き込み上限が650TBWであれば、毎月1TB(毎日330GBほど)の書き込みで650ヶ月(54年)使える計算になり、先にPCの寿命がやってくるので、ほとんど寿命を気にしないでもよくなっています。

メモリが少ないとSSDの寿命が短くなる?

PC搭載しているDRAMメモリが少ないとSSDの寿命が短くなると言われますが、これはOSがメインメモリであるDRAMの容量を使い切ると、ストレージ側に作成したスワップと呼ばれる仮想メモリを使うことに起因します。

先程見てきた通り、DRAMは頻繁な書き換えを前提とした装置ですが、SSDは保存が主な用途なので、スワップで使われるような極度に頻繁な書き換えを想定していません。そのため、業務用のサーバーなどでは、OS側でスワップメモリを設定することを非推奨としているサーバーもあるくらいです。

民生用のPCでは、より低価格で快適に使えるPCにするために、メモリをやや少なくてしてスワップを使う前提のPCが多く存在します。そうしたPCではSSDの寿命が短くなる可能性がありますが、それでも日常的な使い方なら5年持たないということはないでしょう。

Hackintoshなら安いメモリを大量に積める

Macの場合はメモリを追加するとそれだけで数万円のコスト増になりますが、Hackintoshの場合市販されている安いメモリをメモリスロットとスペックの許す限り増設できます。

メモリは8GB・16GBあれば一般的な用途では十分ですが、スワップを減らしてSSDの寿命を長くするのであれば、32GBくらい積んでおくとほぼスワップなしで運用できるでしょう。

メモリの購入コストとSSDの交換コストを比較すると、どちらがコスパが高いかは微妙なところですが、SSDの容量は増やしても動作速度に影響しませんが、メモリはある程度増やした方が動作速度が早くなるため、その分も考慮するとDRAMを増やしておいた方がメリットが高くなります。