ロードバイク

初めてのリムブレーキ・カーボンホイールをチューブラーにした理由と感想

初めてのリムブレーキ用カーボンホイールをチューブラーにしたので、なぜ今更チューブラーにしたのか、実際に変えてみてどうだったかをまとめました。

公開日: 2022.4.24

なぜチューブラーにしたのか

リムの強度と熱耐性が高いから

リムブレーキのカーボンホイールの場合、問題になるのがブレーキーシューでリムを擦ることで発生するリムの変形。リムブレーキの場合、リムにブレーキシューを擦り付けて制動しますが、この時に当然ですが摩擦熱が発生します。この熱でカーボンリムが変形してしまうのです。

アルミに比べてカーボンリムは熱を逃すのが苦手で、長い間ブレーキングでシューを擦り付けると熱が逃げることができず、どんどん高熱になって最終的には変形してしまいます。

これはクリンチャーリムでもチューブラーリムでも同じなのですが、タイヤビードを引っ掛けるフックがない分、構造的にチューブラーリムはリム自体を厚めに作っても軽量にできるため、チューブラーリムの方がリム強度があると言われます。また、クリンチャーリムは、薄いフック部分で熱を処理するため、チューブラーよりも熱に弱いとされています。

リムブレーキ車においてリムの強度は安全に直結するため、チューブラーにした訳です。

シマノの最新ホイールでもチューブラーモデルが維持されたから

ここも大きな要因で、シマノの最新DURA-ACE R9200シリーズのリムブレーキホイールはチューブラーのみです。シマノはリムブレーキ用のカーボンホイールでは、クリンチャーは出しておらず、おそらく最後とされるR9200でもチューブラーモデルのみのラインアップになりました。

諸説によると、シマノがリムブレーキ・カーボンホイールのクリンチャーモデルを出さないのは、先程の熱問題という根本的な問題点を抱えているためだろうと言われています。

信憑性は不明ですが、世界最大の自転車パーツメーカーであり、安定・安心のシマノがクリンチャーを出さないのには理由があるでしょうし、納得できるところです。

個人的には、この「シマノがチューブラーのリムブレーキ用カーボンホイールだけは出している」というのが、チューブラーにした決定打でした。

ちなみに、クリンチャーが悪いというわけではなく、シマノもディスクブレーキ向けのカーボンホイールでは、クリンチャーモデルを出しています。

実際にチューブラーにしてみてどうか?

走りはもちっとしている

交換してすぐにクリンチャーで走ってたコースを軽く流してきましたが、明らかに振動は少ないですね。路面が割れているところなどを走っても振動がかなり小さいです。

走りが軽いかと言われると、走りは軽いです。ただ、ホイールの交換効果もあって、チューブラータイヤの効果はわかりません。

これまでアルミリムホイールが、フロント690g、リア930gの1,620gだったところから、フロント610g、リア650gの合計1,260gになり、合計で400gくらい軽量化されたので、その効果は確実にあります。

これ以上軽くしても仕方ないので、おそらくこのホイールを壊れるまでずっと使い続けると思います。

タイヤは硬いが普通に剥がせた

チューブラーというと、「タイヤ硬すぎて(固着しすぎて)剥がせない問題」が有名ですが、自分のホイールは「リムセメントベース + リムテープ」という使い方をされていて、思ったよりも固着がなかったので普通に剥がせました。

リムがカーボンなので、カーボンへの攻撃性が低いプラスチックのタイヤレバーを使って、

  1. タイヤレバーで一箇所だけ隙間を作ってタイヤレバーを差し込む
  2. レバーでタイヤを上に引っ張りつつ移動させていく(レバーを回しながらだと、剥がれやすい)
  3. ある程度剥がれたら、引っ張って剥がす

というやり方で5分もしないで剥がせました。

リムのメンテナンスは確かに手間

チューブラーというと、リムセメントやリムテープでタイヤを固定させるため、チューブとタイヤを嵌めて空気を入れるだけのクリンチャーと比較すると、メンテナンスが手間というデメリットがあります。

実際にやってみると確かに手間で、買ったのは中古のカーボンリムホイールでガチガチにリムセメントが固着している状態ではなかったんですが、それでもリムセメントを落とすのに数時間かかりました。自分はロードバイクのメンテナンスが好きな方ですが、それでも毎回この作業は嫌だなぁというのが本音です。

ただ、リムセメントは毎回ピカピカにしなくても、ある程度綺麗になっていれば重ね塗りでOKという話もあるので、しばらく運用してみたいと思います。

リムセメントの除去に100円均一のシール剥がし液と綿棒が効果てきめんだった話

チューブラータイヤ高い問題

チューブラーを採用する上で問題なのがタイヤ・チューブの維持費。

クリンチャーだと、チューブが800円くらい、タイヤが高額なモデルでも1本5,000円くらいでパンクしたとしてもチューブだけ(800円くらい)の出費で済みます。タイヤは、5,000kmくらい持つと言われているので、自分の用途なら3年くらい持ちます。

一方、チューブが一体化しているチューブラーの場合、「パンク = タイヤ交換」となる上に、チューブラータイヤは、安くても4,000円ほど、高いモデルは1万円以上します。「パンク = 数千〜1万円の出費」というのは確かにかなり辛いところです。

ただ、自分の場合、ロードバイクを初めて2年弱で年間走行距離は1,500kmくらい、パンクしたのはスローパンクが2度だけ。しかも、中古のチューブを使っていたので、自分の走行距離ならパンクリスクは1年に1回ほどです。1年に一回、タイヤ1本交換なら、コスト的にはまあ良いかとしました。

出先でパンクすると厳しいので、シーラントを入れて保険をかけつつ、予備タイヤを1本携帯するようにしています。

使っているチューブラータイヤは、ヴィットリアのRALLY21 チューブラーです。25Cのオールブラック、楽天市場でポイント還元で実質1本2,500円くらいで買えました。

Vittoria/ヴィットリア RALLY21 25-28 ALL BLACKチューブラータイヤ 自転車部品 サイクルパーツ

1年2,000kmくらい持ってくれたら嬉しいですね。2,500円なので、運用して問題なかったら今度買い足す予定です。

ブレーキシュー高い問題

これはチューブラーというかカーボンリムブレーキホイールのデメリットですが、カーボンへの攻撃性が低い専用シューを使うのでシューが高く、前後で3,000円くらいしました。買ったのは、BBBのカーボストップです。

カーボストップはブレーキ鳴り少ないシューで、その分ストッピングパワーは低いのが特徴。自分は、夜間に市街地でトレーニングライドするので、ブレーキ鳴りを重要視しました。

ブレーキ鳴りは確かに少なくて、シュルシュルシュルという音がする程度。ストッピングパワーは少し弱い気はしますが、思いっきりレバーを引くとホイールはしっかりロックするので、おそらくコントロール次第なのではないでしょうか。ちなみに、ブレーキはシマノのULTEGRA BR-R8000です。

アルミリムの時はピタッと止まったところが、スルスルっと制動が伸びてしまいますが、おもっきり引けばロックするわけですし、ここはコントロール次第なのかなと思いました。

チューブラーテープ在庫不足問題

ここ数年の経済危機の影響で、リムテープの入手性がかなり低くなっていて、しかも自分の買ったカーボンホイールはナローリムモデルなので、ナローリム向けのチューブラーテープは探しても在庫がありませんでした。リムテープのが貼り付けが楽そうだったので、かなり焦りました。

幸い、リムセメントは安心のパナレーサーさんが安定供給しているので、自分はリムセメントを使うことにしました。

パナレーサーさんの公式Youtubeだと3度塗りくらいを推奨していますが、プロショップの動画では一度塗りで乾いたら装着してOKというのもあったので、自分のホビーライドではそれでも十分かなと思い、一旦リムセメント1度塗りで運用してみようと思います。

youtube:https://youtu.be/wqGTWkH5IwM

youtube:https://youtu.be/yRl2Lq_xkMU

チューブラーテープを使おうと思っている方は、供給面を確認してからカーボンホイールを買った方が良いかと思います。

リムセメントは、携帯用にチューブタイヤを、メンテナンス用に缶タイプを用意しました。安く買えて両方で1,500円くらいでした。


まだ交換して数日ですが、乗った感じはクリンチャーよりも好きです。

また運用してみて、何かったら書こうと思います。