ロードバイク

フロントシングルのギア比が実用的になるのか考えてみる

フロントシングルにした時に、どうしたら実用的なギア比を維持できるのかを考えてみました。

公開日: 2020.12.17

最近はもっぱらロードバイクのフロントシングル化についてばかり考えています。おかげでHackintoshを最新のBig Surにする時間が取れません。

さて、今回はロードバイクをフロントシングルにした時に問題となるギア比について考えてみました。

フロントの歯数

まずはフロントの歯数。シングルにするとフロントの歯数がそのままギア比を決定づけます。

シマノのグラベル用コンポ・GRXシリーズのシングルクランクセットは、FC-RX810-1が42Tか40T、FC-RX600-1は40T一択となっています。

他の記事を呼んでいても、ロードバイクをシングル化した方は概ね42Tにしているようです。ということで、42T前提でギア比を見てみます。

現状のMomentum iWant R Claris-Hをシングル化する場合

Momentum iWant R Claris-Hはリアスプロケは11-28Tです。これをそのままフロントシングル・42Tにすると、下記の感じです。

フロントリアギア比80rpm時の速度
42113.8238.3km/h
42133.2332.4km/h
42152.8028.1km/h
42182.3323.4km/h
42212.0020.1km/h
42241.7517.6km/h
42281.5015.0km/h

最大・最小がやはり弱くなりますね。自分はヒルクライムはほぼやらないので、下が1.5なのはいいですが、上が40km/hを切るのは現状は問題ないですが、今後トレーニングを積んだら物足りなくなりそうです。こう考えるとフロント40Tはもっと物足りなくなりそうですね。

また、段数ごとのギア比の差が概ね2.5〜3で、トップに近づくと5近いのでかなりガクッとなりそうです。まあ、これは現状のフロントダブルでもそうなんですけどね。

10速化した場合

フロントシングルの場合、足りないならリアを増やそうというのが基本的な考えなようで、SRAMだと1x12というコンビネーションもあるのだとか。

現状のクラリスのままでフロントシングルにすると、どうしても8速になって幅が狭くなってしまうので、リアは増やしたいところ。ただ、現行定番の11速にするとホイールまで交換なので、8速ホイールでつけられて中古のコスパがいい10速でギア比を考えてみました。

42Tをベースに考える

フロント42Tのシングルの場合、10速でワイドレシオなスプロケットで計算してみました。スプロケットはULTEGRA CS-6700 11-28T前提です。最大歯数差は31Tで、RD-5700/6700ならトータルキャパシティが32Tなので大丈夫なはずです。

フロントリアギア比80rpm時の速度
42113.8238.3km/h
42123.5035.1km/h
42133.2332.4km/h
42143.0030.1km/h
42152.8028.1km/h
42172.4724.8km/h
42192.2122.2km/h
42212.0020.1km/h
42241.7517.6km/h
42281.5015.0km/h

トップとローがクラリス時と変わりません(当たり前)。ここだけ見ると、52tとか34tが欲しくなります。ただ、段数ごとのギア比差が2未満ベースで、大きくても3程度になったので、スムーズなシフトチェンジは出来そうです。

今度はクロスレシオなスプロケットにしてみます。スプロケットはULTEGRA CS-6700 11-23t前提です。

フロントリアギア比80rpm時の速度
42113.8238.3km/h
42123.5035.1km/h
42133.2332.4km/h
42143.0030.1km/h
42152.8028.1km/h
42162.6326.3km/h
42172.4724.8km/h
42192.2122.2km/h
42212.0020.1km/h
42231.8318.3km/h

下は結構キツくなりますが、平地発進なら許容範囲内です。この組み合わせでヒルクライムは絶望的ですね。

クロスレシオなので、低速から巡航速度までのシフトチェンジはスムーズになりそうです。平地なら、1速から入って順番に綺麗に上げていく感じでしょうか。

フロントを34Tにする

ヒルクラムはどうするんだ?と考えた時に、そしたらフロントのチューンリングを変えればいいじゃないかと思いました。ということで、同じ10速スプロケットでフロントを34Tにして、11-28Tスプロケと組み合わせてみます。

フロントリアギア比80rpm時の速度
34113.0931.0km/h
34122.8328.4km/h
34132.6226.2km/h
34142.4324.4km/h
34152.2722.7km/h
34172.0020.1km/h
34191.7918.0km/h
34211.6216.2km/h
34241.4214.2km/h
34281.2112.2km/h

下がもう少し欲しいところですね。富士ヒルクライムだと初心者はギア比1.0があったほうがいいとのことなので、フロントは30Tまで落としたほうがいいかもしれません。

フロントを30Tにする

ということで、フロントチェーンリングを30Tにした想定でギア比を見てみます。リアは11-28Tスプロケ。

フロントリアギア比80rpm時の速度
30112.7327.4km/h
30122.5025.1km/h
30132.3123.2km/h
30142.1421.5km/h
30152.0020.1km/h
30171.7617.7km/h
30191.5815.8km/h
30211.4314.3km/h
30241.2512.5km/h
30281.0710.7km/h

ローがギリギリ1.07ですね。これならヒルクライムもいけそうです。ヒルクライムなら、スプロケを15-27Tとかにしてもいいかもしれません。(流通量が少なそうですが)

整備が問題ない人ならシーンごとにフロント切り替えで行けそう

フロントシングルの場合、チェーンリングの交換は比較的容易なので、整備が自分で出来るなら走る前にサクッと交換すれば良さそうです。プロでもそういう選手はいるそうですし。

ただ、チェーンラインとアームの関係でクランクの内側にチェーンリングを止める場合はクランクを外さないと交換できないかもですね。


フロントシングルのギア比をまとめてみました。

自分の場合、平地を走ることがほとんどなので、フロントシングルでもリアが10速になればいけそうです。現状のクラリス8速だとちょっと平地以外キツイかもしれません。