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Mac Proケース+第10世代Intelで3万円台の格安Hackintoshを作った

Mac Proケース+第10世代Intelで3万円台の格安Hackintoshを作ったので構成やEFIの設定、ベンチマークなどをまとめました。

公開日: 2021.4.25

マシンスペックと値段

パーツ型番価格送料購入元
CPUIntel Core i3 10100F¥11,000¥0ヨドバシカメラ
マザーボードMSI B460M PRO-VDH WIFI¥10,800¥0ヨドバシカメラ
dGPU玄人志向 GF-GT710-E1GB¥3,300¥0ヨドバシカメラ
メモリsk hynix DDR4 2400MHz 8GB¥2,880¥0じゃんぱら
ケースMac Pro 2009(ケースのみ)¥1,000¥1,600ヤフオク
ケースファンサイズ 12cmファン¥300¥0ヤフオク
ケースファンakasa 12cmファン¥420¥0ヤフオク
ATX電源CORSAIR CX500M 500W¥1300¥630ヤフオク
SSDSAMSUNG 128GB NVMe¥0¥0ありもの
ATX電源スイッチSANWA SUPPLY TK-SW1¥279¥0ヨドバシカメラ

新品+中古の構成で、合計で33,509円でした。ヨドバシカメラで買ったものが新品でそれ以外は中古です。SSDだけありものを使っていますが、仮に新品で用意したとしても4万円未満で組めると思います。

パーツの選定理由

今回自作Hackintoshを組むにあたって重要視したのは、

  1. 中古Mac mini 2018 Core i3よりも安いこと
  2. メインマシンなので安定性重視
  3. 現行MacBook Pro、Mac mini 2018程度の性能
  4. デュアルモニタ環境
  5. 拡張ができること

という点でした。

安定性という意味でIntel CPU、性能はそこまで高くなくて良くてコスパ重視でCore i3 10100Fにしました。

仕事柄デュアルモニタは必須なのですが、HackintoshはiGPUだとデュアルモニタでトラブルが多いようなので、dGPUにしました。dGPUはNVIDIAのものはmacOSがサポートしてないものがほとんどですが、GX710は標準ドライバで対応しているだけでなく、消費電力が19Wと超省エネ、ファンレスで静音、低価格とメリットばかりだったのでかなりよかったです。

拡張性については、microATXではメモリスロットが2本の製品が多いところ、MSI B460M PRO-VDH WIFIはWIFIなしモデルより1,000円ほど高いですが、Wifi + Bluetoothがついてメモリスロットも4本なので、こちらを選定しました。

価格面では、Mac mini 2018のCore i3モデルが中古で5万円前後なので、半額とは言えませんが30%ほど安くできています。

EFIなどの設定

Githubで第10世代Core iシリーズとMSI B460M PRO-VDH WIFIを使った組み合わせでデータを公開している方がいたのでそちらを使ってみたのですが、インストーラーの起動すらできませんでした。

hpstuff / MSI-B460M-PRO-VDH-WIFI-Hackintosh

そこで、同じCore i3 10100Fの構成で探していたところ、Githubに上がっていたのでそちらを使ったところインストールができました。

prayogi-id / Asrock-B460M-Pro4

ただ、こちらのEFIだとマザーのWifiとBluetoothが使えなかったので、インストール後に先程のインストーラーでエラーが起きたMSIマザーのEFIのkextに置き換えています。

kextを入れ替える(config.plistの書き換えも)だけで、WifiもBluetoothも使えています。ただ、ケースの都合でアンテナがケース内になってしまっていてパワーが弱いのでLANは有線LANにしています。マザーの有線LANはドライバは読み込んでいるのになぜか接続ができなかったので、USBのLANアダプタで有線接続しています。

ベンチマーク

GeekBench 5でベンチマークを取ってみました。

製品シングルコアマルチコア
Hackintosh9893458
Mac mini 2018 Core i38963192
Mac mini 2018 Core i59994664

シングルでMac mini 2018のCore i5モデル同等、マルチでMac mini 2018のCore i3モデルより10%ほど高いという結果になりました。

動画編集とかしないので、マルチコアスコアは個人的には影響が少ないので、シングル性能がMac mini 2018のCore i5モデル同等というのはかなり嬉しいポイントです。Mac mini 2018のCore i5モデルは中古でも6.5万円くらいするので、おおよそ半額くらいで入手できたことになります。

ちなみに、Ubuntu 20.04でGeekBenchを回した時はシングル1100、マルチ4000くらいだったので、macOSでベンチを取ると10〜20%ほど性能が落ちています。まあ、ゲームをするわけじゃないし、基本的には十分すぎるくらいの性能だと思います。

Ryzentoshにしなかった理由

本当は格安で性能の高いRyzen 5 1600AFあたり組みたかったんですが、すでに新品が終息してしまっていて価格が高かったので、コスパがよくないというのがRzyentoshを避けた大きな理由です。

また、RyzentoshはDockerなどの仮想環境が使えなかったり、アプリによっては動作が不安定になるというのも、メインPCとしては厳しいという判断でした。

マシンの寿命という意味では、最後のIntel iMac(2020年モデル)が第10世代のIntel CPUを搭載しているので、第10世代のIntel CPUにしておけば、macOSが2026年くらいまで対応するだろうという安心感も大きなポイントでした。

使用感や今後のカスタマイズなど

個人的にはCore i3は使えないというイメージだったんですが、10100Fについては体感で数世代前のCore i5同等です。CPUファンも純正クーラーですが、平均で30度未満で安定しています。GPUにGT 710を選んだことで、システム全体の消費電力も抑えられているようです。

メモリは16GBないと厳しいと思っていたんですが、macOS Big Surの恩恵なのか、現状の8GBでも意外とキビキビ動いてくれています。ただ、せっかくスロットがあと3つあるので、8GB x 3枚を追加して32GBまで増やす予定です。

dGPUは、GX710があと2世代くらいでmacOSのサポートから外れそうなので、外れたタイミングで型落ちしたRadeon RXあたりにする予定です。現在はマイニング特需で価格が跳ね上がっているので、その意味でも様子見しています。

あと、マザー的にはNVMeのSSDを2枚挿せるのと、PCIスロットも二つ空いているので、dGPUをアップグレードしたらWindowsとデュアルブートにしてゲーミング用途にも使ってみたいですね。

あとはエアフローはMac Proのものを使いたいので、今後パーツの置き位置などが確定したら、改造してMac Proのエアフローをそのまま再現する予定です。